せっかちくん

8年ほど前に購入した、デジタル仕様の腕時計を

愛用しています。

8年間一度も電池を交換したことがなく、時刻を都度合わせても

必ず3分ほど進んでしまうという、摩訶不思議な時計なのでした。

雨の日も風の日も、時に持ち主に乱暴に扱われながらも

びくともしません。

苦楽を共にしてきた、タフな相棒なのです。

 

しかしある日、ついに文字盤の表示が読み取れないくらい薄くなり、

まさに息も絶え絶えの様子ではありませんか。

時計店に持ち込むと、すぐに電池を交換してくれるとのこと。

 

30分後に再会した彼は、見違えるように元気に(文字盤くっきり)、

活き活きとしておりました。

よかったね。これからもよろしくね。

しかし以前と違うのは、先走る癖のあった彼が、律儀に標準時を

刻んでいるということ。

 

心境に変化でもあったのだろうか。