石垣島でダイビング中に失くしたカメラが、2年半後、なんと台湾の
海岸で発見され、現地で熱烈歓迎されながら持ち主に返還された、
というニュースが話題を集めました。
これを聞いて真っ先に思い出したのが、この本。
「漂流物」(デイヴィッド・ウィーズナー BL出版、2007年)
以前紹介したこともある、「1999年6月29日」と同じ、デイヴィッド・ウィーズナーの
傑作絵本です。
海岸には時々、思いもよらないものが流れ着きます。ゴミやガラクタは
もちろん、中には非常に珍しい、貴重なものも。
海は向こうの陸地とこちらの陸地を隔てる境界です。が、さらにもっと違う
世界、時間や空間を超えて、誰も知りえなかった世界をもつないでいるの
かもしれません。
自分自身の一夏の記録が、偶発的な出会いによって、遠く離れた誰かの
心を打つとしたら?
SNSを介すのではなく、一台のフィルムカメラがつないだ壮大な海辺の物語を、
ぜひお楽しみください。
でも、実際にカメラを海に放り投げてみることはあまりおすすめできないので、
どうぞご注意を。