観世流能楽師 奥川恒治様のWebサイトに、イラストを掲載していただきました。
能楽作品を解説するための紙芝居のようなもので、数年前から公演のたびに
描かせていただいています。今回は、「俊寛」です。
平清盛により、謀反を企てた罪で鬼界ヶ島に流された俊寛。
ある日都から使いがやって来て、一緒に流された康頼と成経が恩赦で
許されたことを告げますが、なぜか俊寛ひとり許されないのです。
二人を乗せた船が水平線の向こうへ消えていくのを、俊寛は絶望の中で
見送るのでした。
平家物語が元になっている作品。
中学の授業でこのエピソードを知ったとき、なんて残酷な話なんだ
と俊寛に同情したものです。
島流しも辛いけれど、たったひとり取り残される恐怖と言ったら。。。
なんとなく、お能といえば幽霊などが出てきて、昔のことを歌いながら
優雅に舞うイメージが強いですが、そればかりでもないのですね。
この「俊寛」は、泣いたりわめいたりじたばたしたりして、すごく人間らしい
キャラクターだと思います。
生きたい、誰のためでもなくただ自分のために助かりたいという(笑)、
図々しいけど憎めない感じを、自分なりに絵にしてみました。
イラスト・公演情報は以下サイトからご覧いただけます。
解説を見て、面白そうだな、ちょっとお能を見てみようかなと思って
いただけたらとても嬉しいです。
プロの能楽師の方の解説が聞ける事前講座もオススメです。
第十二回 奥川恒治の会「俊寛」
9月24日(日)14:00開場 14:30開演
宝生能楽堂